焼くとなぜ緑色になるのだろう

焼くとなぜ緑色になるのだろう

どうして黒紫色の乾海苔を焼くと緑色になるのでしょうか?

それには、海苔に含まれる色素が関係しています。

乾海苔 焼海苔

海苔には大きく分けると、以下に示す4つの色素が含まれています。

クロロフィル → 緑色

カロチノイド → 橙色

フィコエリスリン → 赤色

フィコシアニン → 青色

この4つの色素の色が重なり合うことによって、乾海苔は独特の黒っぽい紫色に見えるのです。(図の①部分)

【海苔色素の関係略図】

【海苔色素の関係略図】

この4つの色素には、いろいろな特徴があります。
赤と青の色素は、熱に非常に弱い性質を持っています。
そのため、乾海苔に熱を加えて焼いた場合、赤・青の色素は熱で分解されてしまい、そのほとんどが無くなってしまうわけです。
そうすると、残っている色素の大半は緑と橙になり、その2つが合わさった緑色に 見えるわけです。(図の②部分)

また、海苔は湿気に弱い食品ですが、乾海苔を室内でそのままにして置くと吸湿してシワができ、さらに時間が経つと色が赤紫色に変わっていきます。
これは、緑の色素が水分に非常に弱く、湿気てくると色素がどんどん分解されて無くなってしまい、次第に赤の色素が目立ってくるからなのです。(図の③部分)